教場だより


非認知能力

2024年6月10日

 そろばん学習では計算力・集中力・忍耐力などが育まれると昔から言われています。 計算力は試験などを通じてその力を測ることができますが、集中力や忍耐力は数値化することができません。
 このような、テストなどで数値化できない能力の事を非認知能力といい、目標を達成する力、他者と協働する力、情動を抑制する力といった、 学びに向かう力や人間性などの、生きていく上で欠かせない能力と位置づけられています。
 これらの中の、目標を達成する力には、忍耐力=最後までやり抜く力、意欲=積極的に取り組もうとする力、自己制御=自分の行動をコントロールする力、 自己効力感=自分ならできると鼓舞する力、目標への情熱=目標に向かって集中する力、などが含まれます。
 これらの力と従来からそろばん学習で育まれるとされてきた力とはほぼ完全に一致することからも、 そろばん学習は認知能力と非認知能力をバランス良く育てる習い事であるといえるのではないでしょうか。

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暗算力を育てよう

2024年5月7日

 そろばん学習で得られる最大の成果は、頭の中でそろばんの珠のイメージを操作することで、高速かつ多桁の計算が可能になる、珠算式暗算の習得です。
 当教室では、一通りの基礎学習が終わり、8級の練習に入る頃から暗算指導を始めていますが、まず、この最初の一歩が肝心です。
 最初は簡単な計算ですが、誰もできません。しかし、我慢して素直に何度も繰り返すうちに、徐々に珠のイメージが形成され、少しずつ正解を得られるようになってきます。
 この段階で、珠のイメージを動かすのではなく、途中で数字に置き換えたり、数えたりする習慣をつけてしまうと、珠算式暗算の能力が育たず、後で取り返しがつかない事になってしまいます。
 また、暗算の精度には、そろばんでの指の使い方も影響していると感じています。
 例えば、9+8の時に、基礎では、「2をとって10をたす」と2つのステップに分解した動きを教えていますが、これを勝手に、指をひねって1ステップのような動かし方をしていると、 暗算の時に、2をとるイメージが曖昧になり、誤算につながっているように思われます。
 素直な心で、基礎に忠実に、ひたすらに練習を重ねること、それが暗算上達の最短距離だと思います。

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新年度を迎えて

2024年4月8日

 新年度が始まりました。新しい何かが始まる予感。この時期はなんだかワクワクしますね。 このような、節目節目に新たな目標を掲げ、それに向って努力する、そんな繰り返しが人を成長させると改めて感じます。
 さて、私たちが加盟する、全国珠算教育連盟は今年創立70周年を迎え、3月30日に京都で記念式典が開催されました。 昭和28年の設立時には静岡県珠算協会も大きな役割を果たし、静岡県は長らく「珠算王国」と称されてきました。
 しかし、昭和50年代半ばに検定受験者数がピークを迎え、平成13年の検定試験の大改革を経て、実務珠算から教育珠算へと大きく舵を切ってきましたが、 少子化・習い事の多様化の波に抗うことはできず、連盟も厳しい局面を迎えています。
 このような厳しい局面にあっても変わらないのは、珠算学習の持つ高い教育効果です。珠算式暗算による高い計算能力だけでなく、 集中力や忍耐力といった「人間力」を育む珠算教育は、AI時代に突入しようとする現代にこそ大切になってくるのではないでしょうか。
 少子化とはいっても、現在の児童数に対する珠算学習者の割合は1割に満たない状態です。検定受験者の減少・生徒数の減少の理由を少子化だけに求めることはできないでしょう。
 一説によると、人間の脳は発揮している力の3万倍の可能性を秘めているそうです。 まずは、今そろばんを習ってくれている子どもたちに、出会ってくれたことに感謝しつつ、その無限の可能性を信じ、 最大限引き出すよう努力することから始めてみたいと思います。

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